初めて赤子を見た。 初めて外の世界を見た。 初めて嵐を見た。 初めて蛮族を見た。 初めて戦いを見た。 埋め込まれた知識があるというだけで、本当の意味では何も知らなかった私も、 立って歩いて戦えるだけの赤子に等しい存在だと分かった。 こうやって少しずつ知識を得て、世界を押し広げてゆく感覚。 命が育っていく実感を、造られた存在である私も理解できた。 私は、初めて笑った。 ただ一つ申し訳ないことがあるとすれば、 あの子が初めて覚えた名前が、両親を差し置いてこの私であったかもしれないことだろうか。