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氏族、リールブランド。
雨の森のほとり──すでに森の中とはいえ、ここは魔境と呼ぶにはいまだ周縁部。そこに存在するドワーフの部族は、複数の氏族に別れてそれぞれ集落を形成しています。
リールブランドは、見張りの氏族。部族の中でも最も深奥に近い土地に住み、夜を徹して警戒を続ける狩人たちの生きる土地です。
帰ってきました。
母の顔を見るのも久しぶりです。タルヴィさんによると「似てる」そうです。私たち、歳を取るスピード遅いですからね。そうなりますね。
久しぶりの集落は、特に大きく変化はない様子。知り合いの中に1人蛮族との戦いで亡くなった方がいましたが、それも含めて大きな変化ではありません。父も、姉も、すでにいない。それが、この集落の日常ではあるのです。
いつもの、何も起こってはいないけれど、少しだけぴりっと張り詰めた空気を感じながら、挨拶をして回りました。弓を撃つことを求められてみたり。でも、まだまだですね。達人の域にはほど遠く、父の跡を継ぐには修業が足りません。
いつの日か、私はここに帰ってくる。そのことに、あまり現実感を持てないでもいます。
さて、ちょっと見張りに出ておきましょうか。
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